直近3カ年の経営成績、セグメント毎の経営成績、株主優待について
はじめに
皆さん大好きな東京ディズニーリゾートを運営する、「株式会社オリエンタルランド」の2025年3月期の決算発表が、2025年4月28日に行われました。
直近3カ年の経営成績、セグメント毎の経営成績、株主優待について、各種公開資料を基に解説します。
1. 経営成績の概況
1-1. 2025年3月期連結業績 (2024年4月1日~2025年3月31日)
2025年3月期の連結業績は、売上高6,793億7,400万円 (前年同期比9.8%増)、営業利益1,721億1,100万円 (同4.0%増)、経常利益1,733億2,800万円 (同4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,241億6,000万円 (同3.3%増)となりました。
1-2. 連結業績の推移
過去3年間の推移を並べると、以下のとおりとなります。
コロナ禍から順調に回復してきているようです。
また、2025年3月期は東京ディズニーシーに新たにオープンした「ファンタジースプリングス」の効果による入園者増加による効果もあったようです。

1-3. 減価償却費の推移
ここで会計士的な分析を書かせてもらえればと思いますが、「ファンタジースプリングス」の効果は、売上や利益にもありましたが、何より減価償却費への影響が大きいことが、見てわかります。
オリエンタルランドのようなテーマパーク運営をする場合、建物やアトラクションといった膨大な有形固定資産を保有することになります。
あの作りこまれた世界観を維持するためには膨大な投資がなされているのですが、有形固定資産は、会計上のルールで、一定期間にわたり費用計上(これを減価償却といいます)します。
固定資産の減価償却は使用開始したタイミングで始まるので、ファンタジースプリングスがオープンした2024年6月から、同エリアの減価償却費計上がはじまることになります。
新たなエリアの固定資産が一斉に減価償却し始めるので、2025年3月期の減価償却費が前2期に比べて大きくなっているのでしょう。

2. セグメント毎の業績
2-1. テーマパーク事業
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
| 売上高 | 3,290億700万円 | 5,137億8,400万円 | 5,521億3,600万円 |
| 営業利益 | 788億7,700万円 | 1,395億1,100万円 | 1,404億2,800万円 |
テーマパーク事業は、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーを運営する事業、すなわち本業といっていいでしょう。
2024年3月期に売上高、営業利益ともに大きく増加していますが、2025年3月期も売上高は増加、営業利益はほぼ横ばいとなっています。
2025年3月期は、入園者数はほぼ同様である一方、1人当たり売上高が増加しており、過去最高の売上高となっています。
2026年3月期は、ファンタジースプリングスの通年稼働や海外客の増加を見込む一方、諸経費の増加などを見込み、増収減益となる見込みとのことです。
2-2. ホテル事業
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
| 売上高 | 497億7,700万円 | 883億8,300万円 | 1,104億8,300万円 |
| 営業利益 | 114億7,800万円 | 247億8,800万円 | 304億7,100万円 |
ホテル事業は、ディズニーホテルなどの経営・運営を行う事業です。
余談ですが、私はアンバサダーホテルでミッキーやミニーが来てくれる食事会に行って大変楽しかった記憶があります。このときの売上は、ホテル事業に計上されていたということですね。
2025年3月期は、東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル開業による宿泊収入、客室単価の増加により、増収増益となっています。
2026年3月期も、宿泊収入の増加により増収増益を見込んでいるとのことです。
2-3. その他事業
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
| 売上高 | 109億4,600万円 | 163億2,500万円 | 167億5,400万円 |
| 営業利益 | 19億7,300万円 | 7億4,500万円 | 6億2,500万円 |
その他事業は、イクスピアリ事業、モノレール事業、グループ内従業員食堂運営事業等です。
そう、皆さんが舞浜駅からディズニーシーに行くときに主に乗る(ランドは普通歩いていきますよね)、あのモノレール、JR等の鉄道会社ではなく、オリエンタルランドの経営なんですよね。
2025年3月期は、モノレール事業が増収したものの、人件費や諸経費の増加により減益となっています。
2026年3月期は、イクスピアリのリニューアル工事などを見込み、減収減益となる見込みとのことです。
3. 株主優待
株主の大半の方が株式を持っている理由である、株主優待制度ですが、本来は500株以上、もしくは100株以上を3年間保有の株主に対し、保有株式数に応じて、東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーの1デーパスポートを配布する制度です。
ただ、2025年9月末時点で100株以上保有の株主に対し、通常の株主優待制度に加え、創立65周年を記念した特別株主優待として、1株につき1枚の1デーパスポートを配布されるそうです!
この記事を読んでくれた皆さん、今ならまだ間に合うので、オリエンタルランドの株、買ってもいいかもしれません!(投資は自己責任でお願いします)。
まとめ
オリエンタルランドの業績は改善傾向が続いている
ファンタジースプリングスのオープンは、減価償却費にも大きく影響
65周年特別株主優待が実施される

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