皆さんが大好きなTDRを運営する「株式会社オリエンタルランド (OLC)」の2026年3月期決算が発表されました。2024年6月に東京ディズニーシーにオープンした新テーマポート 「ファンタジースプリングス (FS)」が、ついに初めて「1年間まるまるフル稼働」した注目の年度です。早速、夢の国の裏側にある財務データを一緒にのぞいてみましょう!
→昨年(2025年3月期決算)について記事はこちら「【オリエンタルランド2025決算】ファンタジースプリングス稼働開始で売上高も減価償却費も増加」)
1. 経営成績の概況:ついに売上高7,000億円を突破!でもなぜ減益?
1-1. 2026年3月期連結業績
2026年3月期の連結業績は、売上高7,045億3,900万円(前年同期比3.7%増)となり、ついに大台の7,000億円を突破して過去最高を更新しました!一方で、利益面を見ると営業利益1,684億1,300万円(同2.1%減)、経常利益1,696億4,100万円(同2.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,219億4,800万円(同1.8%減)と、いわゆる「増収減益」の着地となりました。
1-2. 連結業績の推移 (過去3カ年)
過去3年間の推移を並べると、売上高の順調な成長と、一方で踊り場に差し掛かっている利益が見えてきます。


★ワンポイント分析: なぜ「増収減益」になったの?
ファンタジースプリングスの通年稼働等によって、ホテルの宿泊客数やDPA(ディズニー・プレミアアクセス。アトラクションの有料ファストパス)の売上が増加したため、売上は伸びました。
しかし、それを上回る勢いで「人件費(賃金改定やキャストの増員)」および「諸経費(原材料高や運営コスト)」、そしてファンタジースプリングスエリア建設に伴う「減価償却費」が増加したため、利益が減圧迫されました。
つまり、これは決してネガティブな減益ではなく、次なる成長のための「未来への投資コスト」が本格化した結果だと言えます。
2. セグメント毎の業績:踊り場のテーマパークと絶好調のホテル
2-1. テーマパーク事業


本業であるテーマパーク事業は、東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」の通年稼働効果(オープンは2024年6月)等でゲスト1人当たりの売上高がさらに向上し、売上高は過去最高を記録しました。しかし、前述したキャストの労働環境改善のための賃金改定等の負担増により、営業利益は前期・前々期比で減少しています。
2-2. ホテル事業


一方で、引き続き絶好調なのがホテル事業です!
ディズニーホテルの中で比較的高額な方に位置する「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」が通年で満室に近い高稼働を維持し、客室単価も上昇(6.4万円➡6.9万円)。
パーク事業の減益をカバーする形で見事な「増収増益」を達成しました。
なお、ホテル事業の好調ぶりは「オリエンタルランドのホテル事業と企業・団体向けパーティープラン(キャラクターグリーティング、 フォトロケーション)」で紹介しているので、良かったらご覧ください。
2-3. その他事業

その他事業の内容は、イクスピアリやディズニーリゾートライン (モノレール)の運営等です。
モノレールの利用者は増えて(舞浜駅から歩くのは困難な位置にあるファンタジースプリングスホテルの通年稼働の影響と考えられます)売上は微増したものの、イクスピアリのリニューアル工事に伴う諸経費の発生や人件費の高騰により、営業利益は減益となりました。
3.新規購入・100株でもパスポートがもらえる!? 上場30周年記念優待
オリエンタルランドの株主優待(東京ディズニーランド・東京ディズニーシーのパスポート)については、現在以下の3種類があり、要件を満たせばそれぞれにおいてパスポートがもらえます。
なお、最新の正確な情報を載せるように努力していますが、必ず、ご自身で公式サイト等をご確認ください。
①通常の株主優待
通常の株主優待(基準日時点で株式を保有していれば対象)は、以下の図のとおりです。
500株以上保有していれば、パスポートがもらえますが、そのためには約150万円の投資(1株3,000円(2026年8月現在)で計算)が必要であり、あまり現実的ではありません。
その150万円でメガバンクの株式を購入すれば、配当金が約4万円になるため(MUFGやSMBCの配当利回り約2.7%で計算)、そのお金でパスポートを購入する方が圧倒的に良いです。
したがって、通常の株主優待目当てでオリエンタルランドの株式を購入することはおススメしません。

なお、例年3月末基準日のは6月上旬に、9月末基準日のは12月中旬に発送されます。
有効期限は、いずれの基準日のものも翌年8月末までとなっているようです。したがって、9月末基準日でもらえるパスポートでは、ハロウィーンの期間にディズニーランド・ディズニーシーには行けないことを認識しておきましょう。
②長期保有(3年以上)株主向けの株主優待
2023年9月30日の基準日以降、100株以上当社株式を3年以上継続して保有いただいた株主には、①通常の株主優待に加えて、長期保有特典の株主優待として、パスポートがさらに1枚もらえます。
こちらも、通常の9月末基準日のものと同様、12月発送、翌年8月末までの有効期限のようです。
こちらは①と異なり100株保有でいいので、約30万円の投資(1株3,000円(2026年8月現在)で計算)が必要です。パスポート1枚を1万円で計算(実際には8,900円~12,400円)すると、利回りが約3.3%となるので、投資対象として悪くはないと言えるでしょう。
③上場30周年記念優待
素晴らしいサプライズ発表がありました! OLCは1996年に東京証券取引所に上場し、2026年12月に上場30周年を迎えますが、これを記念して、「上場30周年記念特別株主優待」の実施が決定しました!
対象株主:2026年9月30日(基準日) 時点で、100株以上を保有している株主全員
優待内容:東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーで使える 「1デーパスポート」1枚
配布時期:2026年12月予定(有効期限:2027年8月31日まで)
この記念優待は保有期間に関係なく、100株持っているだけで誰でも1枚もらえます。
上場30周年と理由をつけていますが、個人的には経営者の株価対策だと思っています。というのも、OLCの株価は、2024年3月頃は5000円を超えていたにもかかわらず、最近(当記事執筆の2026年7月時点)は2,500円程度と、かなり下がっているのです。
加えて、実は昨年(2025年9月末基準)も同様に、「株式会社オリエンタルランド65周年」とか言って、今年の上場30周年記念優待とまったく同じ内容の株主優待を実施していたのです。
→「株式会社オリエンタルランド65周年」株主優待パスポートを利用してインパークした記事はこちら「閑散期1月のディズニーランドの状況と株主優待とスポンサー企業の財務状況と」
「個人株主を増やして、低迷する株価にテコ入れしたい」っていうのが、経営陣の本音でしょう。。
まとめ:夢の国は「攻めの投資」でさらに進化する
2026年3月期の決算をまとめると、以下の3点に集約されます。
- 売上高は初の7,000億円突破! ファンタジースプリングス通年稼働の効果が見て取れる
- 人件費や減価償却費の増加で増収減益となったが、これは持続可能な運営と成長のためのポジティブなコスト
- 100株保有でも即パスポートがもらえる「上場30周年記念優待」により、株価にテコ入れ
一時的な減益に惑わされず、ホテル事業の圧倒的なブランド力や、キャストへの投資を惜しまないOLCの経営姿勢は、長期的に見て非常に強固です。これからも、私たちの愛するパークがどう進化していくのか目が離せませんね。
※本記事は各種公開資料を基に、個人の見解を交えて作成しています。特定の株式の購入を推奨するものではありません


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