相続税を気にする必要がある方へ
「相続税ってどれくらいかかるの?」で、ほとんどの人は相続税を気にしなくてよいとお伝えしました。
ただ、お金持ちの方は、実際にどれくらいかかるか気になる方もいるでしょう。
そこで、具体的な相続税の計算方法の概略について説明します。
※税制は複雑で、実際にかかる相続税を計算したい場合、必ず税理士に相談しましょう。
相続税計算の流れ
相続税計算の流れは、以下のとおりです。
①課税価格の合計額(≒遺産総額の評価額)を算定
②法定相続分に従って相続したと仮定して相続税額の合計を計算
③実際の相続分に従って、②の金額を各相続人が案分して負担
④配偶者控除(「相続税ってどれくらいかかるの?」参照)等の税額控除の分を差し引く
このうち、②③④は相続税金額の計算における節税対策とあまり関係ないので、主に相続税の話は①になります。
(②のために、養子縁組するという手はありますが、普通の人はしないので割愛します)
遺産総額の評価額を計算しよう①
遺産には、現預金のほか、株式、不動産等いろいろありますが、すべて金額に換算して計算します。
不動産は、時価よりも金額が低く換算されます。
よく聞く「不動産で節税」というのはこの換算制度を利用したものになります。
一方、亡くなった方が銀行借入金等の債務を有していた場合、その金額は遺産総額の評価額からマイナスされます。
遺産総額の評価額を計算しよう②
また、法的には遺産に含まれないものの、課税価格に含まれるものもあります。
大きく2つあり、①生命保険の保険金、②生前に(なくなる前3~7年)贈与を受けた金額、です。
もっとも、生命保険の保険金は「法定相続人の数×500万円」を差し引いた金額が課税価格に含まれます。
たとえば、子ども2人が相続人で生命保険金が3000万円の場合、2000万円が課税価格に含まれます。
つまり、法定相続人の数×500万円までの保険金の生命保険に入っておけば、その分節税が可能です。
生前に贈与を受けた金額とは「贈与時の価額」で評価されます。
つまり、贈与時に1000万円、相続時に2000万円の株式を贈与された場合、遺産総額の評価額は1000万円となります。
この点が、経営成績の良い中小企業の株式は死亡時までまたず、生前に渡した方がいいと言われるゆえんです。
遺産総額の評価額を計算しよう③
遺産総額の評価額を合計した後で、基礎控除額さしい引いて、実際の課税価格の合計額が決まります。
基礎控除額は以下のとおりです。
3000万円+(法定相続人の数×600万円)
たとえば、子ども2人が相続人なら、4200万円が基礎控除額となります。
つまり、遺産総額の評価額が4200万円以下なら、1円も相続税がかからないということです。
なので、「相続税ってどれくらいかかるの?」で、大半の方は相続税は気にしなくてよいと言った次第です。
まとめ
相続税計算の肝は、課税価格の合計額(≒遺産総額の評価額)を算定する点にある
生命保険は、法定相続人の数×500万円までの保険金のものは節税になる
時価があがっていくものは、相続時より生前贈与した方が節税になる
基礎控除額は、3000万円+(法定相続人の数×600万円)


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