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遺言を書くには、誰に相談すればいい?

相続・遺言

遺言作成の相談を受けている専門家

遺言を書こう」という記事で、遺言を書くのであれば、弁護士等の専門家に相談することが肝心、と書きました。

ただ、世の中には、遺言作成の相談を受けている専門家はたくさんいます。

いったい、誰に相談すればいいのか迷ってしまいませんか?

専門家に遺言作成の相談をしようと思ったとき、思い浮かぶのは以下の5つほどでしょうか。

①信託銀行

②弁護士

③税理士

④司法書士

⑤行政書士

それぞれについて、一般的に言われているメリット・デメリット、どういった方が相談に向いているかを説明したいと思います。

※注意事項
以下はすべて私見であり、当職の経験に基づいた印象を書いております。すべての専門家が以下のようである、というつもりは全くありませんので、その点はご留意ください。

①信託銀行

「相続といえば信託」というようなテレビCMを最近よく見かけませんか?

テレビCMのおかげで、遺言を書くときに相談する場所として、一番に思いつくのが信託銀行という方も多いのではないでしょうか。

信託銀行に相談するメリットは、相談相手が経験豊富なサラリーマンであること、信託銀行という大企業という安心感、があげられます。

デメリットは、なんといっても費用が高額な点です。必ずとまではいいませんが、ほとんどのケースにおいて、相談相手たる専門家のなかで、信託銀行が最も費用が高額です。

「費用が多額であっても信頼のおける大企業、エリートサラリーマンに相談したい」という方が、信託銀行に遺言作成の相談するのに向いていると言えます。

②弁護士

テレビドラマとかで、お金持ちが亡くなったときに遺言を発表するシーンでよく登場するのが弁護士でしょうか。

弁護士に相談するメリットは、以下のあたりでしょうか。

・相続絡みの法律知識が最も豊富であること

・トラブル防止・トラブル対処に長けていること

・会社絡みの法知識も豊富であり株式の相続に詳しいこと

デメリットは、以下のあたりでしょうか。

・必ずしもすべての弁護士が相続や会社絡みの法律に詳しいわけではないこと

・弁護士1人でやっている事務所(世の中の法律事務所で多い形態)に依頼すると、その弁護士になにかあったときに再度委託先を探す必要が出る可能性があること

世間一般では、弁護士は費用が高いと思われていますが、信託銀行よりは圧倒的に低いです。

また、税理士、司法書士、行政書士と比べても高いということはありません。

士業の場合、どの士業かよりも、どの事務所かによる変動の方がはるかに大きいといえるでしょう。

会社経営者(不動産保有会社を含む)や、離婚経験があり元の配偶者との間で子どもがいるなどの相続関連でトラブルの恐れがある人は、弁護士に 遺言作成の 相談するのに向いていると言えるます。

弁護士に相談する場合の具体的な流れは「具体的な遺言作成の流れ 公正証書遺言の場合」の記事をご覧ください。

③税理士

相続といったら、相続税、相続税といったら税理士、ですね。現在、相続全体の約1割が相続税が発生すると言われております。

税理士に相談するメリットは、節税の相談ができること、相続後に相続税の申告をしなければいけないときにそのまま依頼することができる(ただし費用は別途請求される)こと、があげられます。

デメリットは、弁護士同様、必ずしも相続に詳しい税理士ばかりではないことや、1人事務所問題など、弁護士と同様の点があげられます。

節税対策が必要なほど資産がたくさんある方(個人的には資産5億円以上)は、税理士一択と言っていいほど、税理士に 遺言作成の 相談するのに向いていると言えます。

④司法書士

相続といえば、土地・建物の相続が伴うのが一般的であることから、不動産登記等を専門とする司法書士に相続の相談をする方も多いのではないでしょうか。

司法書士に相談するメリットは、トラブルに関連しない範囲であれば弁護士同様相続絡みの法律知識が豊富なこと、さらに不動産登記や信託登記といった法律以外の相続がらみの知識も豊富なこと、があげられます。

デメリットは、 必ずしも相続に詳しい司法書士ばかりではないことや、1人事務所問題など、弁護士・税理士同様の点があげられます。

不動産をたくさん保有している方は、登記のプロたる司法書士に 遺言作成の 相談するのが向いていると言えます。

⑤行政書士

最も身近な法律家といえば、行政書士ではないでしょうか。

行政書士に相談するメリットとしては、気軽に相談できる雰囲気があるという点があげられると思います。また、事務所によるのですが、一般的には、弁護士や司法書士よりも費用が安い傾向にもあると思います。

デメリットは、 必ずしも相続に詳しい行政書士ばかりではないことや、1人事務所問題など、弁護士・税理士同様の点があげられます。 また、弁護士や司法書士に比べて、国家試験の民法が簡単であるため、必要な法律知識が若干欠けている人も見受けられる点があげられると言えます。

とにかく気軽に相談してみたい、という方は、行政書士に 遺言作成の 相談するのに向いていると言えます。

まとめ

遺言の相談を受け付けている専門家は多数いる

信託銀行は比較的費用が高いが、大企業という安心感がある

士業は比較的費用が安いが、必ずしも相続に詳しい専門家ばかりではない点に留意が必要

どの士業に相談するかは、その人のおかれた状況・性格による

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