会社・委員会報告書の概要
■1 対象会社
アライドアーキテクツ株式会社
■2 日付
・委員会設置日:2024年12月24日
・報告書日付:2025年2月28日
・報告書公表日:2025年3月7日
■3 市場・会計監査人(監査法人)
・上場市場:東証グロース市場
(※当時。2025年12月11日にスタンダード市場への区分変更申請の準備開始)
・会計監査人:PwC Japan有限責任監査法人
■4 委員会・委員・補助者
・「調査委員会」
日弁連「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」への準拠なし
・委員
委員長:小副川 俊朗(社外取締役 常勤監査等委員)
委員:大村 健(社外取締役 監査等委員 弁護士)
委員:渡邉 淳(社外取締役 監査等委員 公認会計士)
委員:早川 明伸(早川・村木法律事務所 弁護士)
委員:高木 明((株)KIC 公認会計士)
委員:中原 健夫(弁護士法人ほくと総合法律事務所 弁護士)
・補助者
弁護士:10名
公認会計士・米国公認会計士:23名
デジタル・フォレンジック専門家:7名
((株)JPリサーチ&コンサルティング、KLDiscovery Ontrack(株))
報告書のサマリ
■1 不正の内容
本報告書で認定された不正の内容と手法は、クロスボーダーカンパニー長であるA氏が関与した以下の6点。
①売上の前倒計上:商材の納品前に顧客に検収を要請して承認を得る方法、ダミーのメールアドレス宛に検収依頼を送りA氏自らが承認ボタンを押す方法、顧客の押印を偽造する方法、の3つの方法で、売上を前倒しで計上していた 。
②売上原価の販管費計上:原価の計上を回避するため、外注費などの原価を特定の案件に紐づかない「販管費」として支払申請していた 。
③売上原価の後倒計上:本来計上すべき原価を、検収日が後に到来する別の案件の原価として付け替えて処理していた。なお、①売上の前倒計上をした結果、当該案件の原価を計上することができなくなったものもあり、まさに粉飾のための粉飾が発生していた。
④架空クロス(バーター)取引:外部の関係者と共謀し、実体のない架空の売上を計上する一方で、同額程度の架空の原価や販管費を計上し、資金を還流させていた 。
⑤売上の架空計上:顧客の過去の発注書から印影を偽造して発注を偽装し、ダミーアドレスを使って検収承認を偽装することで、実体のない売上を計上していました 。
⑥連結相殺消去漏れの利用事案:財務経理担当者が連結相殺処理を誤っていたことを利用し、連結子会社(オセロ社)に対し、あえて検収完了前に請求書を発行させることで、連結財務諸表上で前渡金を過大計上させ、売上原価を過少計上させていた 。
■2 不正の原因
不正をしたA氏が手口を多様化・エスカレートさせた背景には、直接的要因と構造的要因が指摘されています。
■直接的要因
・グループ会議において必達とされた「本最低ライン(修正社内予算)」の達成に対する極めて強い心理的プレッシャーがあった 。
・売上の前倒し計上を行ったことを隠蔽するため、さらなる不正を行う必要が出てくる負のスパイラルに陥っていた 。
・A氏自身のマネジメント能力の不足、コンプライアンス意識の欠如、「自分だけが困難な事業を任せらえれており、不適切な会計処理をするしかない」という自己正当化の状況があった
■構造的要因
・経営陣がA氏の能力不足を把握しきれず、不合理な予算設定やマネジメント不足を招いた。
・クロスボーダーカンパニー内でA氏が「申請者」と「承認権者」を兼務しており、社内の牽制(チェック)機能が全く働いていない業務管理上の欠陥があった。
・管理部門を専任で管掌する取締役が長期間不在である等、管理・内部監査部門によるモニタリングや牽制が機能していなかった。
■3 会計処理への影響額
2020年度第2四半期から2024年度第3四半期までの期間において影響が生じています。
たとえば、2023年12月期の影響額は以下のとおり。
・売上高:▲81,158千円
・売上原価:+20,002千円
・営業利益:▲89,514千円
■4 再発防止策
本報告書では、以下の再発防止に向けた提言がなされています 。
・経営体制の振り返りと改善:経営陣によるマネジメントの見直し 。
・事業部門(第1線)におけるリスク管理体制の強化:カンパニー長による自己決裁を防止する体制の構築や、販売管理システムの再点検 。
・管理部門(第2線)の強化:コミュニケーション不足・事業理解度不足の改善による、事業部門に対する牽制機能の強化 。
・教育:コンプライアンス及び財務会計に対する教育による、コンプライアンス意識の浸透
・モニタリング:コンプライアンス及び財務会計に対する教育の徹底と、内部監査(第3線)によるモニタリング強化 。
その後の経緯
■1 役員の辞任等
調査報告書を受け、代表取締役社長、取締役(社外取締役も含む)について、指名報酬委員会の決定も踏まえ、月額報酬の自主返上(社長は月額報酬の30%、その他は月額報酬の20%。いずれも3ヶ月間)が行われた。当該不正を実行した従業員A氏については、懲戒解雇処分とした。
■2 代表取締役の異動
本件のみを理由とするものではないが(シンガポール子会社SUPERFACTION社の業績低迷と解散も理由に挙げられている)、代表取締役社長は代表取締役を辞任(取締役には残る)し、新たな代表取締役が選定された。
■3 再発防止策の策定
以下の再発防止策の策定・実行をすることが公表された。
(1) 経営体制の改善
(2) コンプライアンス及び財務会計に対する教育
(3) 事業部門
(4) 管理部門(2線)の強化
(5) 内部監査(3線)の体制強化
資料へのリンク等
■会社IR
・調査委員会の調査報告書(公表版)公表に関するお知らせ
・再発防止策の策定及び関係者の処分等に関するお知らせ
・代表取締役の異動に関するお知らせ
■日経記事
・アライドアーキテクツ社長に村岡弥真人氏

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