会社・委員会報告書の概要
■1 対象会社
株式会社 グッドスピード(以下「GS」社)
■2 日付
・委員会設置日:2023年10月6日
・報告書提出日:2023年12月30日
■3 市場・会計監査人(監査法人)
・上場市場:東証グロース
・会計監査人:監査法人A&Aパートナーズ
■4 委員会・委員・補助者
・「第三者委員会」
日弁連「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」への準拠あり
・委員
委員長: 井上 寅喜 (公認会計士 株式会社アカウンティング・アドバイザリー)
委 員: 高野 哲也 (弁護士 大知法律事務所)
委 員: 能勢 元 (公認会計士・税理士 能勢公認会計士事務所)
委 員: 後藤 幸男 (公認会計士・税理士・公認情報システム監査人 後藤公認 会計士事務所)
・補助者
株式会社アカウンティング・アドバイザリー1名
大知法律事務所3名
永田町リーガルアドバイザー株式会社5名
株式会社KPMG FAS 16名
報告書のサマリ
■1 不正の内容
GS社においては、会計上、売上は納車日に計上されるべきであった。しかし、複数の部署及び販売店において、実際には納車していないにも関わらず、納車したことを装い、納車日よりも前に売上計上がなされていた。いわゆる、売上の先行計上であり、会計上不適切なカットオフがなされていた。
この不正な会計処理は、営業本部および各販売店によって主導されており、組織全体としてこの不正行為が認識されていた可能性が高いことが指摘されている。
■2 不正の原因
主な原因としては、上司からの指示に対する服従、業績目標達成への執着、営業偏重の企業風土などが挙げらている。また、コンプライアンス意識の欠如が挙げられている。
■3 会計処理への影響額
2021年9月期:売上高▲1,604百万円、売上総利益▲320百万円、
2022年9月期:売上高+442百万円、売上総利益+52百万円、
2023年9月期:売上高▲590百万円、売上総利益▲98百万円、
※2023年9月期は第3四半期累計期間
■4 再発防止策
再発防止策としては、以下の項目が挙げられている。
(1)役員の意識改革等
業務執行取締役については、不適切な会計処理を主導することが許されないことは当然であり、さらに、これを認識しつつ容認ないし放置することも同様に許されない旨、記載されている。監査等委員については、社内の会議体に出席したり内部監査部門から報告を受けたりする常勤の監査等委員の役割が重要である旨、非常勤監査等委員も、単に報告を求めるだけでなく積極的な情報収集を含めて関与していくことも考えられる旨、記載されている。
(2)役員の権限の適切な分配
管理担当取締役が、営業担当取締役から上司・部下の関係性のような指示命令を受けたり、自らの人事・報酬等の決定プロセスに不当な影響を与えられることのないように留意する必要がある等、一部の役員に過度な権限が集中しないようにするように、指摘されている。
(3)内部監査室の組織体制の再整備
独立性の確保、レポーティングラインの整備、人員の補充等が提案されている。
(4)コンプライアンス意識の抜本的かつ全社的な改革
全社的かつ継続的なコンプライアンス研修が提案されている。
(5)インセンティブ報酬制度の見直し
インセンティブ報酬を採用すること自体を否定はしないが、数値以外の評価指標をより広く導入するなど、適切なバランスが求められると指摘している。
(6)客観的な納車確認のための仕組みの整備
顧客と各販売店との間だけで納車(売上計上)に係る書類の整備が完結するのではなく、それ以外の部署がこれに関与することが提案されている。
(7)内部通報制度の周知徹底等
内部通報制度が有効に機能するよう、その存在を全社員に周知し、匿名性の確保や通報者の保護を徹底するように提案されている。
(8)営業偏重の企業風土からの脱却
数字重視による営業偏重の組織風土から脱却し、経理部などの管理部門や内部監査室の意見を尊重する姿勢が求められる、と指摘している。
その後の経緯
■1 役員の辞任等
2024年1月31日をもって、
専務取締役、及び取締役2名が辞任(取締役2名は執行役員への降格)。
代表取締役社長の報酬割合を、3か月間月額報酬の50%減額。
取締役(常勤監査等委員)は、3か月間月額報酬の10%を自主返納する旨申し出た。
■2 会計監査人の異動
2023年9月期の期末監査が終了した時点で、
監査法人A&Aパートナーズが退任、一時会計監査人に有限責任中部総合監査法人が就任。
■3 その他
ガソリンスタンド運営の宇佐美鉱油のTOBにより、同社傘下に入ることとなり、2024年8月23日付で上場廃止となった。
資料へのリンク等
■会社IR
■日経記事


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